東京都の公共性の高い企業・団体のWebサイトアクセシビリティ対応調査報告

総務省が策定した「外部サイトを別ウインドウで開きますみんなの公共サイト運用モデル改訂版(2010年度)」では、国及び地方公共団体等の公的機関のホームページ等について、いつまでにどこまで対応するかの期限と達成等級を検討することを推奨し、その目安として、既に提供しているホームページ等については、以下の期限での対応を求めています。

  • 2012 年度末まで 「ウェブアクセシビリティ方針」策定・公開
  • 2013 年度末まで JIS X 8341-3:2010 の等級A に準拠(試験結果の公開)

そこで、当協会では、国及び地方公共団体の公式ホームページについて、アクセシビリティ対応と方針の公開について、どの程度取り組みが進んでいるかを調査いたしました(第2回調査報告東京都30自治体調査報告仙台調査報告参照)。

このたび、東京都に本社/本部がある公共性の高い企業・団体のWebサイトについて、どの程度対応が進んでいるかの調査を以下のとおり実施しましたので、ご報告申し上げます。

調査方法

調査対象:
東京都に本社/本部がある公共性の高い企業・団体のうち、以下の9業種について3,4社ずつ 計32件
  • (1) 政府及び独立行政法人、特殊法人等の政府関係機関、地方公共団体及びその関係機関など行政機関全体
  • (2) 新聞社、放送局などの報道機関
  • (3) 鉄道、空港などの交通機関
  • (4) 郵便局、運輸業などの輸送機関
  • (5) 電気通信事業者などの通信機関
  • (6) 電力会社、ガス会社、水道局などのライフライン
  • (7) 病院、診療所などの医療機関
  • (8) 大学、学校などの教育機関
  • (9) 銀行、信用金庫などの金融機関

調査対象サイト

1)政府及び独立行政法人、特殊法人等の政府関係機関、地方公共団体及びその関係機関など行政機関全体

  • 独立行政法人国立美術館
  • 東京国立博物館 - トーハク
  • 東京消防庁

2)新聞社、放送局などの報道機関

  • 朝日新聞
  • 読売新聞
  • MSN産経ニュース
  • 共同通信社

3)鉄道、空港などの交通機関

  • JR東日本
  • 東急電鉄
  • 羽田空港(東京国際空港)

4)郵便局、運輸業などの輸送機関

  • 日本郵便
  • ヤマト運輸
  • 日本通運

5)電気通信事業者などの通信機関

  • NTT東日本
  • NTTドコモ
  • KDDI
  • ソフトバンク

6)電力会社、ガス会社、水道局などのライフライン

  • 東京ガス
  • 東京都水道局
  • NEXCO東日本

7)病院、診療所などの医療機関

  • 国立病院機構 東京医療センター
  • 東京都病院経営本部
  • 慶應義塾大学病院

8)大学、学校などの教育機関

  • 首都大学東京
  • 国立大学法人 電気通信大学
  • 国立大学法人 東京学芸大学
  • 東京藝術大学

9)銀行、信用金庫などの金融機関

  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行
  • 三菱東京UFJ銀行
  • ジャパンネット銀行
  • 株式会社ゆうちょ銀行
調査時期:
2014年2月中旬から3月末
調査手順:
JWAC品質維持向上部会メンバ8名で、同一サイトを2名ずつで分担しダブルチェックして、結果を照合しました。
調査項目:
1. アクセシビリティ方針の公開
以下の項目について、Webサイト内への掲載の有無から評価しました。アクセシビリティ方針詳細評価基準はこちら
  • (1) アクセシビリティに関する意識
  • (2) JIS X 8341-3に関する意識
  • (3) アクセシビリティ方針掲載の有無
  • (4) 「みんなの公共サイト運用モデル改訂版(2010年度)」に則ったアクセシビリティ方針
2. サイトのアクセシビリティ対応
以下の10項目について、Webサイトのアクセシビリティ対応を評価しました。アクセシビリティ対応詳細評価基準はこちら
トップページについて
  • (1) メニューを読み飛ばすページ内リンクがある
  • (2) 全てキーボード操作可能である
  • (3) ブラウザで200%に拡大してもテキストの表示に問題ない
  • (4) 見出し要素が適切に使われている
  • (5) 画像が点滅しない
  • (6) ページを開いても自動で音声が再生されない
  • (7) 画像にalt属性がある
サイト全体について
  • (8) パンくずリストがある
  • (9) 各ページの構造が共通になっている
  • (10) サイトについてアクセシブルな複数の問い合わせ手段がある

調査結果の概要

1. アクセシビリティ方針の公開
  • (1) アクセシビリティに関する意識
    約3分の1の団体が、アクセシビリティについて意識していました。(32件中11件)
  • (2) JIS X 8341-3に関する意識
    1割弱のみの団体が、JIS X 8341-3について意識していました。(32件中3件)
  • (3) アクセシビリティ方針の掲載
    3割弱の団体が、アクセシビリティ方針を策定し公開していました。(32件中9件)
  • (4) 「みんなの公共サイト運用モデル改訂版(2010年度)」に則ったアクセシビリティ方針
    NTT東日本とNTTドコモの2件のみが、「みんなの公共サイト運用モデル」に基づいたアクセシビリティ方針を公開していました。

XLS資料を別ウインドウで開きます各ホームページのアクセシビリティ方針調査結果の詳細はこちら(XLS 39KB)

2. サイトのアクセシビリティ対応
トップページについて
  • (1) 1割強のサイトに、メニューを読み飛ばすページ内リンクがありました。(32件中4件)
  • (2) 4分の3のサイトが、全てキーボード操作可能でした。(32件中24件)
  • (3) 9割強のサイトが、200%に拡大してもテキストの表示に問題はありませんでした。(32件中30件)
  • (4) 約6割のサイトで、見出し要素が適切に使われていました。(32件中19件)
  • (5) 4割強のサイトで、画像の点滅や自動的に動くコンテンツはありませんでした。(32件中14件)
  • (6) すべてのサイトで、ページを開いても自動で音声が再生されることはありませんでした。(32件中32件)
  • (7) 6割弱のサイトに、画像にalt属性がありました。(32件中18件)
サイト全体について
  • (8) 7割弱のサイトに、パンくずリストがありました。(32件中22件)
  • (9) 8割強のサイトが、各ページの構造が共通になっていました。(32件中26件)
  • (10) 2割強のサイトに、サイトについてのアクセシブルな複数の問い合わせ手段がありました。(32件中7件)

XLS資料を別ウインドウで開きます各ホームページのアクセシビリティ対応調査結果の詳細はこちら(XLS 36KB)

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