連載記事ウェブアクセシビリティを知ろう

連載19:ウェブサイトをキーボードで操作する人がいます!

田中 章仁(NTTクラルティ株式会社)
2022年2月1日

多くの方はパソコンでウェブサイトを見る際、文字を入力する時以外はマウスで操作をしていると思います。
しかし、マウスを利用できない人は、すべてキーボードで操作をしています。

視覚障がい者である私もそのひとり!マウスポインタを見ることができないので、すべての操作をキーボードで行います。
みなさんも、ぜひ試してみてください。

  1. 画面が表示されたら、Tabキーを押す。
    リンクが張られている部分や「検索ボタン」など操作できる部分にフォーカスが移動していきます。
    ※このページであれば、「本文へ」→「カテゴリ内リンクへ」→「協会のロゴ」→「メニュー」と移動していきます。
  2. 何度かTabキーを押し、閲覧したいリンク部分へ移動。Enterキーを押す。
    ※たとえば、「このサイトについて」のところでEnterキーを押してみましょう。

目的のページへ移動できたはずです。

ただ一部のウェブサイトでは、キーボードでうまく操作できない部分も存在します。

キーボードでフォーカスが当たらない

Tabキーを押しても、キーボードフォーカスが当たらないことがあります。
フォーカスが当たらなければ基本的には操作することができません。

Enterキーを押しても動作しない

キーボードフォーカスが当たり、Enterキーを押しても動作しないものがあります。
たとえば、以下のようなものが挙げられます。

  • 申し込みフォームで次のページへ進むボタン(ショッピングサイトの「買い物かごへ」「支払いへ」ボタンなど)
  • リストから選択するもの(特に通常のラジオボタンやチェックボックスを利用しておらず、選択した部分の色が変化するものは要注意!)

ウェブサービスを提供する際は、ぜひキーボードでお試しを!

ウェブサイトでは買い物の他、ネットバンキングなどの金融取引、動画などのコンテンツ視聴など様々なサービスが受けられるようになっていますが、マウスで利用することを前提に構築されているウェブサービスも多くあります。
キーボードで操作できない部分があると、十分情報を得られないことや、ウェブでの申し込みができない、ウェブサービスを利用できないなどの問題が起こります。
みなさんの周りにこのようなサービスはありませんか?

ウェブサービスを提供している企業のみなさん、ぜひキーボードですべての操作ができるか試してみてください。

利用したくても利用できず、別のサービスにユーザを取られているかもしれませんよ。

キーボードを操作する手

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