連載記事ウェブアクセシビリティを知ろう
連載22:ウェブアクセシビリティとADAに関する手引き(その4)
山田 肇
2022年3月25日
(手引き本文)
ウェブアクセシビリティに対応する方法
企業、州政府、地方自治体は、非差別で効果的なコミュニケーションという、ADAが掲げる一般原則にどのように準拠するかについて柔軟に対応できる。ただし、ADAが掲げる要件には準拠する必要がある。
一版原則についての明文化された規制はないが、司法省が積み上げてきた非差別および効果的なコミュニケーションに関する一般原則についての長年の解釈は、ウェブアクセシビリティにも適用される。
企業、州政府、地方自治体は、オンラインで提供するプログラム、サービス、商品に障害を持つ人々がアクセスできるようにする具体的な方法について、現時点では、自由に選択できる。
既存の技術標準は、ウェブサイトのアクセシビリティを確保する方法に関する有用な手引きを提供する。これらには、ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)と、連邦政府自身のウェブサイトに適用されるリハビリテーション法第508条基準が含まれる。他については、参考資料をご覧いただきたい。
企業、州政府、地方自治体は、ADAの一般原則である非差別で効果的なコミュニケーションを順守するという要求には柔軟に対応できるが、オンラインで提供されるものを含め、広く市民に提供するプログラム、サービス、商品は障害を持つ人々がアクセスできなければならない。
(解説)
この章の説明は少々わかりにくいが、メッセージは次の三点である。
第一に、ADAが掲げる一般原則への対応は義務だが、どう対応するかには自由度がある。
第二に、詳細な技術基準を司法省としては定めていないので、WCAG等の技術基準を参考にして欲しいという点。WCAGに違反するとの訴訟が多く起こされており、WCAGが実質的に技術基準というのが実態である。
第三は、WCAG等の技術基準を満たす方法は一つとは限らず、どれを選択するかは企業、州政府、地方自治体等に委ねられているということである。技術基準を満たすにはいくつかの実装方法があるというのがWCAGの立場であり、それに沿ったメッセージといえよう。

以下、手引きが掲げる参考資料を転載する。
- 18F Accessibility Guide
: a comprehensive accessibility guide with resources published by 18F, a digital services agency under the General Services Administration (GSA).
- Digital.gov
: this site, which is part of the Technology Transformation Services at the GSA, has resources on design of products, devices, services, or environments for people with disabilities.
- Section 508 Information and Communication Technology Accessibility Standards
: standards published by the U.S. Access Board addressing access to information and communication technology under Section 508 of the Rehabilitation Act of 1973.
- Section508.gov
: a website published by the GSA with tools and training on implementing website accessibility requirements under Section 508.
- Web Content Accessibility Guidelines (WCAG)
: guidelines published by the Web Accessibility Initiative of the World Wide Web Consortium.